あらすじ/作品情報
夕暮れ近い公園で、十七歳の直紀は悪友の宏司から目の前に写真を突き付けられた。胸元がはだけ、脚が大きく左右に開かれ、ベッドに横たわる女の写真。ピンク色のスキャンティの中に忍び込む男の手……酔いつぶれた宏司の姉だという生写真を無理やり見せられたことがすべての始まりだった。性衝動の昂りに火が付いた直紀は、さらに映像プロデューサーとして名をはせる父親の部屋に隠されていた持出し厳禁のビデオを発見する。そこには、母の秘戯が収められていて──未消化の淫情が、美しく若い近親に向かい始めるのに時間はかからなかった。「なんて柔らかくて甘いんだ、お母さんの身体……」狂い始めた好奇心はやがて夜ごとの秘め事に。禁断の母子関係の予感に懊悩する、元・女優の母、美穂子。彼女にも夫・拓也との乾いた生活と、初恋の人・井本への思いが交錯していて──背徳の悦びと哀しみに溢れる母子物語(1987年初刷)!【著者略歴】高竜也(こう たつや) ─ 東京都出身。高校卒業後、電電公社勤務。サラリーマン生活を辞め早稲田大学一文演劇科入学。卒業後、池田正一の筆名で日活ロマンポルノの脚本を多数執筆。フランス書院文庫創刊時以来、官能小説作家に。「相姦の語り部」として時代を席捲した。
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1巻から
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650ポイント
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